米空母“コロナ艦内感染”で露呈、日本の水際対策を阻む「聖域」グアムに寄港したルーズヴェルト Photo:U.S.Navy

49カ国・地域の入国を拒否
米国には“不完全”な水際対策

 日本政府は新型コロナウイルスへの「水際対策」として、4月1日、米国、中国、韓国、台湾など49カ国・地域を入国拒否の対象に追加、計73カ国・地域に最近2週間以内に滞在した外国人は入国させないと決定、同月3日から実施した。

 一方、在日米国大使館は3日、日本に滞在中の米国人(長期滞在希望者を除く)に対し直ちに帰国準備をするよう要請した。これまで米国は日本人を全面的入国拒否の対象としておらず、米国に入国した日本人には14日間自宅等で待機の上、健康状態を観察する「行動制限」を行ってきた。

 だがトランプ米大統領は同月2日の記者会見で日本人に対する入国拒否について問われ「それも含めて考えている」と答えた。

 米国では4月7日現在37万人近い感染者が出て、死者は1万993人に達し、最大のコロナウイルス汚染国だから、日本が米国人の入国を拒否するのは合理的判断だ。米国側が自国民に対し死者が累積97人の日本から1万人以上の死者が出ている米国への帰国を要請したのは滑稽だが、日本にとり幸いと言うべきだろう。

 だがこれで日本政府の米国に対する「水際対策」がすっきり完成したわけではない。