“これがスーツマジック……。ふおおお、すごい。抱かれたい!抱かれたいですよ!高野さんに抱かれたい……”

男が服を買うのが
下手な理由

 内澤さん、さっきまで言うてたことを忘れて、どこまで落差おっきいんですか…。同伴していた本の雑誌社の編集・杉江さんも壊れてしまって、両目に星が入っていたらしい。二人とも、大丈夫ですか。これでパワー全開になり、つぎは、宮田さんアゲインでテレビ出演用のスーツを買いに。ここでまた鴨田さんが登場。当然、素晴らしいチョイスを決めてくださる。その前に、内澤さんと杉江さんが宮田家のワードローブをボロクソに言うのはあんまりの内容なので割愛。

“店員さん以外にも、自分を良く知る介添人がいないと、似合う服に辿り着けないとは、なんとも不自由な話である。”

 そうそう、そうなんよ。だから男は服を買うのが下手なんよ。こうして内澤さんは、男に『着せる女』としての悟りをひらく。以後、杉江さん、本の雑誌社・編集長の浜本さんらの服選びに次々と同伴して、どんどん腕をあげていく。下の写真は、高野さんと宮田さんの変わりよう。確かに姿勢や顔までちゃいますね。ちなみに、内澤さんご自身のBEFORE、AFTERも本にございまして、見てのお楽しみ。さすがは着せる女、なかなかのもんであることを申し添えておきます。

 内澤さん、えらそうに言うてはるわりに(スミマセン…)、最初は男子洋装の知識がかなり乏しかった。しかし、それもずいずいと身につけていかれる。読んででいると、こちらも並行してメンズファッションの知識と勘所がぐいぐい身についていく(ような気がする)。いやぁ、痛快なだけじゃなく、実用にもなる素晴らしい本でしたわ。今度、服を誂えるときは、内澤さんにお願い申し上げて、ついていってもらおうかしらん。何を言われるかと思うと、ちょっと怖いけど。

 写真は、本の雑誌社『着せる女』から。撮影は齋藤圭吾氏。

(HONZ 仲野 徹)