トイレットペーパーはデマだと分かっていても店先から消えてしまった…
トイレットペーパーはデマだと分かっていても店頭から消えてしまった… Photo:PIXTA

緊急事態にデマを信じてしまうのは、どうしようもない人の自然な心理なのかもしれない。そして拡散してしまう人の多くに悪気はない。しかし、デマに百害あって一利なしなのもまた事実。一般庶民は、これまでの教訓から何を学ぶべきなのか。(取材・文/フリーライター 武藤弘樹)

トイレットペーパー不足に見る
デマが拡散される一連の流れ

 新型コロナウイルス感染が拡大していく過程で、日本ではトイレットペーパーをはじめとする日用品が品薄になった。その原因の根っこには「トイレットペーパーが近い将来品薄になるぞー」というデマがSNSを中心に拡散されたからで、「トイレットペーパーが足りなくなるなら他の日用品も品薄になるのではないか」という流れが起きた。しかし品薄になった日用品は、供給の絶対量が足りていないマスクとは違ってしっかり供給が確保できていたので、購買の瞬間的な上昇により全国各地のスーパーで一時的な品薄には陥ったものの、やがて落ち着きを取り戻して現在に至る。

 事の発端となったデマを流したとされるSNSアカウントのうちのひとつはユーザーが特定され、ユーザーが勤める職場から「うちの者がやらかしたようなので、うちの方で適切に処分を決めます」といった声明が発表されることとなったが、有事の際においてデマが飛び交うのは残念ながら通例といってよく、特定・処分に至った上記のアカウントはデマを流したうちの一部にすぎないと思われる。