――中国の入国審査の際は、手続きが繁雑でかなり時間がかかり、大変だと聞きます。実際には、どんな手続きがありましたか。

「面接」(健康状態の念押し確認)や、「検温」「入国審査」「荷物引き取り」「行先登録・振り分け」などのゾーンを順番に進むという手続きがありました。いずれも「健康碼」という個人の健康情報アプリが必要で、そこに個人情報や直近14日間は日本のどこにいたかなどを、未成年者の分を含めて入力した上、係員に人数分のQRコードを見せなければなりません。入力は、それぞれ10以上の項目がありました。

 とにかく、各窓口には防護服を着ている係員が待機していて、現在の健康状態や感染者との接触の有無を、何度も何度もしつこく確認されました。

空港から自宅まで行くのが
とても面倒だった

防護服のスタッフが対応空港では防護服のスタッフが対応 写真:山田太郎(仮名)

――空港から自宅までの行程が、とても面倒な手順を必要とすると聞ききました。実際はどうだったでしょうか?

 はい、空港から自宅までどう行くかは、実際一番肝心なところで、とても面倒なものでした。上海市行政区の各区の窓口に担当者がずらっと並んで待機しています。もちろん、皆、完璧な防護服姿です。

 そこで、居住場所の確認、かつ自家用車の出迎えがあるかどうかによって、振り分けられます。ここでも個人情報や運転手などの情報を登録しないといけません。これは目的地に待機している社区(コミュニティ、居民委員会ともいう、政府の末端組織)の担当者にバトンタッチするために必要なデータのようです。

 自宅に戻る人以外は、一律に政府の用意する車で政府指定のホテルまで送ってもらうことになります。当然、ホテルで隔離される場合、勝手に部屋を出ることができません。医師と政府担当者が24時間常駐し、監視されます。食事は本人がデリバリーを頼んで、フロントまで届けてもらい、スタッフが部屋前まで運んでくれるようです。

――ほかにも、何か空港で感じたことがありましたか?

 とにかく、防護服姿のスタッフが多いことです。防護服は見慣れていないので、とても緊張感があります。作業自体は手際よく、順調に手続きは進んでいきます。おそらくマニュアルなどが整備され、作業手順が徹底されているのだと思います。

 荷物を引き取る際は、驚きました。すべての荷物にまんべんなく次亜塩素酸の消毒液がスプレーされるのです。かなり高濃度なのか、プールのニオイみたいな、塩素臭がきつかったし、スプレーされた水滴の跡もなかなか取れませんでした。

 意外だったのは、私の家族に妊婦と小さな2人の子どもがいたためだと思いますが、上海の空港に到着してから出るまでの各窓口で、毎回「一番前に並んでください」と優先的に通されたことです。もしかしたら、マニュアルにあったのかもしれませんが、その気遣いは、とてもありがたく、うれしかったですね。