自宅に着くと防護服姿の
担当者と医師が待機

――なるほど。ご自宅に着いたら、そこでバトンタッチする社区(コミュニティ)のスタッフとはどんなやりとりがあったのですか。

 自宅がある住宅(団地)の入口に到着すると、もう防護服姿の担当者と医師が待機していました。「2週間の自宅隔離の誓約書」にサインし、消毒用のタブレット(次亜塩素酸。500mlの水に1錠入れて使用する)を渡され、「消毒を随時行って、家の玄関からは絶対に外に出ないようにしてください」と、念を押されました。

 ドアにはセンサー付きのアラームが取り付けられました(費用は政府負担)。ドアの開閉回数がカウントされ、そのデータは送信・管理されるそうです。

 こうした説明や作業が終了して、家に入ったのですが、実に空港に着陸してから3時間半以上がたっていました。まあ、これでも早いほうかもしれません。

――社区のスタッフは非常に監視が厳しくて、細かいと聞きます。実際どんなことを言われましたか。

 そうですね。まず「食事の出前は極力しないように、頼んだ場合必ず一報入れるように」と言われ、「ドアの開閉回数が多くなったら、管理センターから注意が来るので、気を付けてください」などと念を押されました。

 4月に出産を予定している妻がいるので、「隔離期間中に何かあったらどうしたらいいか」と聞くと、「居委会(町内会に該当)に連絡すれば、すぐに病院に送る手配をするから安心してください」と言われました。

――隔離中の生活は、どのように送られましたか。

 午前と午後の各1回、社区の医師が検温に来ました。10日目を過ぎてからは、「咳は出ていないか」「胸は苦しくないか」など、症状の有無をしつこく確認されました。

 自炊のための食材はネットで購入しました。午前と午後に各1回、配達がありました。そのときも、ドアの開閉はなるべく多くしないよう気を付けていましたね。配達時間は、検温のために医師が訪問してくる時間帯に設定していました。

 隔離中の生活は、あまり普段と変わりません。僕は部屋の一角にスポーツジムのようなトレーニングマシンを置いて、毎日体を鍛えました。子どもたちは宿題をやり、家族でトランプや将棋をして過ごしました。そして、みんなで手料理を楽しむなど。意外とストレスも少なく、平穏な日々でした。