2019年、労働基準法が改正され、年10日以上の有給休暇が付与される労働者には、5日以上取得させることが義務づけられた。多くの企業が働き方を見直す中、注目を集めているのが「ワーケーション」という新しい働き方だ。一体どのような働き方なのか?実際に導入している企業に取材した。

いま注目を集める新しい働き方、
ワーケーションとは

 ワーケーション(Workation)という言葉をご存じだろうか。これはWork(仕事)とVacation(休暇)を組み合わせた新語で、地方のリゾート地などへ出向いて、普段とは違う環境で仕事をする新しい働き方だ。仕事のかたわら、現地でスポーツやレジャーを行って休暇も楽しむこともできる。

地方のリゾート など、普段とは異なる環境で働くワーケーション。心身ともにリフレッシュができ、アイデアも湧いてくるという(北海道ニセコ町で撮影) 

 ワーケーションはテレワークの一種だが、目的は異なっている。テレワークの目的は、あくまでもオフィス勤務の代わりに自宅やサテライトオフィスなどで仕事をすることだ。

 一方、ワーケーションの目的は、「勤務時間と、勤務中ではない休暇を組み合わせる」ことだ。例えば、旅行中にある程度仕事を進めることができ、長期休暇から戻ってもブランクを感じずにすぐに通常業務を行えるため、長期休暇が取りやすくなる。家族や友人とどうしても旅行の予定が合わないという場合でも、ワーケーションを利用すれば旅行できる可能性が高まるなど、ワークライフバランスの実現にも役立つと考えられている。

 ワーケーションを取り入れた企業は、本当にメリットや効果を感じているのだろうか?すでに導入している企業に取材をした。

リフレッシュできて発想力が高まり
メンバー間の交流も深まる

 株式会社ワンストップビジネスセンターは、起業家や個人事業主を対象にしたバーチャルオフィスを運営する企業。全国各地に30拠点を構えており、WEBサイトの作成・管理、オフィスの営業・広報などを手掛けている。仕事は外部のフリーランサーとチームを組んで行っている。

「一緒に仕事をしているフリーランサーは居住地がバラバラです。そのため、チャットツールやスカイプ、LINEを使って打ち合わせや会議を行っているのですが、対面のコミュニケーションなら理解できることが、オンラインになると理解しづらい。それで、年に何度か実際に集まって作業をするようになり、どうせ集まるのなら、楽しいこともやりたいと考えて、ワーケーションを導入しました」(代表取締役・土本真也さん、以下同)

 ワーケーションという言葉が知られる以前から、同社は地方で合宿スタイルの共同作業を行ってきた。2017年8月、スキーリゾートで有名な北海道ニセコ町に滞在したのが始まりだ。拠点となったのは、ニセコ中央倉庫群という施設。かつて農産物の倉庫であった建物を再活用した交流施設で、テレワーク設備を完備。ニセコは町をあげてワーケーションを支援している自治体のひとつである。