企業や自治体にもメリットが
移住促進効果にも期待

 近年ワーケーションを導入する企業は増えているが、それはさまざまなメリットがあるからだ。企業にとっては、社員の健康経営を促進することで、自社の魅力度アップにつながり、優秀な人材が採用しやすくなる。また、施設を提供する自治体は、空きオフィスを再活用することにより、空き家問題が解消できる。気に入ってもらえれば、移住を促進する効果もある。観光業界にとっても、これまで客足の鈍かった平日やシーズンオフの集客につながる。多彩な可能性を秘めている。

 こういった動きを見据えて、2019年11月には「ワーケーション自治体協議会(WAJ)」が設立された。北海道、長野県、沖縄県をはじめ、全国1道6県58市町村が加盟しており、ワーケーションに必要な設備を整えた施設を貸し出すなど、普及活動を展開している。

「バーチャルオフィスは、起業家や個人事業主に住所を貸して事務を代行するサービスですが、本質的には『働き方を変える』サポート事業だと考えています。いまはパソコンがあれば、場所にとらわれずに多くの仕事ができる時代になりました。毎日好きな場所で、好きな時間に働けることこそ、ビジネスパーソンが抱える『仕事のストレス』を解消する方法だと考えています。ですから率先してワーケーションを実践しているのです」

 ワーケーションに限らず、新しい働き方が次々と登場している時代。自分の仕事観に合ったワークスタイルを一度考えてみてはいかがだろうか。

(吉田由紀子/5時から作家塾(R))