オーケー二宮涼太郎社長
オーケー二宮涼太郎代表取締役社長 Photo by Kazuhiko Kurabe

「高品質・Everyday Low Price(エブリデイロープライス)」を掲げ、10年で売り上げ倍増の急成長を遂げてきたオーケー。同社は、30年前からレジ袋が有料だったり、ショッピングカートはコイン式だったりと不便なルールもあるが、オーケーでの買い物がお得になるオーケークラブ会員の数は、2009年の158万人から491万人(2019年3月末)になるなど、ファンを着実に増やしている。5年前に社長に就任した元商社マンの二宮涼太郎社長が畑違いのオーケーへ転身した理由を探ると、オーケーが多くのファンに支持される理由が見えてきた。(構成/ダイヤモンド編集部 林 恭子)

商社から小売りへ
なぜ異例の転身を決めたか

 前職の三菱商事時代は、小売りとは縁遠い、資材畑で過ごしてきました。はじめはガラスの主原料になるシリカサンドを輸入し、日本や東南アジアのガラスメーカーへ販売する業務を担当。その後は、日本のセメントメーカーとのセメント・生コンクリートの海外合弁事業を担当し、アメリカの出資先企業に出向する経験もしました。

 日本に戻ってきてからは営業部門からコーポレート部門の投融資審査を行う部署に社内出向していましたが、営業部門に戻るタイミングで「小売部門に関心がある」と話したところ、オーケーに出向することに。それが、オーケーで働くきっかけです。

 私が総合商社時代にやってきたのは主にBtoBのビジネスで、オーケーはBtoC。ビジネス面でのギャップもありましたし、三菱商事とオーナー企業であるオーケーの文化の違いもありました。

 そんな中でも一番感じたのは、小売業の経営のサイクルの速さでした。また、一般のお客様相手の商売なので、扱っているアイテムの多さや、単品の売れ方もすさまじいものでした。値下げによって、単品の売り上げが前年の6倍、7倍に増えるような商品もあり、驚きました。そして、お客様からは良いことも悪いことも、ダイレクトに反応があります。そうしたBtoCならではのダイナミズムは、総合商社時代には感じられないものでした。