コロナ破綻におびえる家庭の「奨学金」活用術、我が子の進学を諦めない!コロナ影響で家計が急変でも支援もある。返済不要・利息なしの奨学金を申し込むなら春に動かないと手遅れに(写真はイメ―ジです) Photo:PIXTA

2020年度から、経済的な理由で進学を悩んでいた家庭を支援する大きな施策がスタートした。「高等教育の無償化」という名前で、返済不要の「給付型奨学金の支給」と、「入学金・授業料の減免」の2本柱の制度だ。財源は消費税率の引き上げによる増収分を充てる。高等教育と聞くと「高等学校(=高校)のこと?」と思う人もいるかもしれないが、大学・短期大学・高等専門学校・専門学校への進学が対象だ。残念ながら、全世帯が対象となるのではなく所得制限があるが、条件を満たせば進学する際の負担がぐんと楽になる。とりわけ、春先から日本を襲った思いもよらない新型コロナウイルス騒動により、家計に大きな不安を抱える世帯が続出している。気になる人は、学校開催の奨学金説明会などでしっかり情報収集しておこう。(ファイナンシャル・プランナー 竹下さくら)

「給付型奨学金」が拡充、
自宅外私大通学で最大91万円も

 柱の1つである「給付型奨学金」は、実は、2017年度から先行実施され2018年度から本格実施された制度だ。これまで年間2万人程度を想定した制度だったが、2020年度進学者からは給付額を増やした上で対象者も拡充。全学生の約2割が対象となる見込みだ。

 もともと、経済的理由で進学を諦めないように進学を後押しする目的で創設されたため、大学に進学してからでは申し込めず、高校3年生の春の「予約採用」でのみ申し込みができる点は知っておきたい。