労働者2.0を目指せ
労働者1.0の人生と資本家の人生。あなたはどちらを選びますか。
これだけネガティブな言い方をすれば、大概の人は資本家になりたいと思うでしょう。それでも「労働者1.0がいい」という人は、相当の怠け者です。
ただ、一足飛びに資本家になるのは難しいのも事実です。
そこで私の提案は、「労働者2.0を目指せ」というものです。
労働者1.0の「他人に働かされている」というマインドセットを、「自分が働いている」に切り替えてみてください。そのためには、自分が持っている才能を搾取されるのではなく、「自らアピールして自分の才能を誰かに売ってやろう」というくらいの気構えを持つようにします。つまり対応する力ではなく、自ら問題を発見して行動する力が必要になります。
自分で主体性を持って働くようになると、自分の世界も広がります。労働者1.0は、自分が属している狭いコミュニティの中での人間関係しか構築できません。でも、労働者2.0として主体性を持って働くようになると、もっと広い世界に目が向くようになります。人間関係も自分が属している部署の上司、同僚、部下だけでなく、自社の中でも他の部署に横断的な人脈を持ったり、業界全体に広がったりします。ここまで来れば、自分の会社が倒産したとしても、それまでに築いてきたスキルや人脈を活用することによって、どの会社にも移籍できますし、起業するという道も開けるでしょう。
参考記事
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農林中金バリューインベストメンツ株式会社 常務取締役兼最高投資責任者(CIO)
京都大学法学部卒、ロンドンビジネススクール・ファイナンス学修士(Master in Finance)修了。1992年日本長期信用銀行入行。長銀証券、UBS証券を経て2003年に農林中央金庫入庫。2007年より「長期厳選投資ファンド」の運用を始める。2014年から現職。日本における長期厳選投資のパイオニアであり、バフェット流の投資を行う数少ないファンドマネージャー。機関投資家向け投資において実績を積んだその運用哲学と手法をもとに個人向けにも「おおぶね」ファンドシリーズを展開している。著書に『ビジネスエリートになるための 教養としての投資』(ダイヤモンド社)など。