欧米や日本の株式市場がリーマンショック後の調整に苦しむ中で、中国やインドといった主要新興国の株式市場も低迷が続いている。人口超大国である中国、 インドは、それぞれの事情は違うものの、インフレ抑制策に伴う景気減速懸念や不動産バブルの抑制などに苦しんでいる格好だ。

 他方で、フィリピンやマレーシアなど東南アジアの株式市場は史上最高値を更新している。インドネシアやタイの株式市場も今年前半に史上最高値を更新し、 足元でも堅調な推移を見せる。中国、インドの経済成長を取り込みながら発展してきたこれら東南アジア諸国が、今後も持続的な成長ができるか注目されよう。

 実際に株価指数のグラフを見ると、既に多くの東南アジア諸国の市場でリーマンショック前の高値を上回っており、インドネシアを筆頭に好調さを確認できる。対照的に中国、インドの株式市場は低迷にあえいでいることがわかる。

 しかし、EPSのグラフを見ると中国、インド共に順調に伸びている。市場が考えているような景気や利益成長の減速懸念がそれほど高くないばかりか、東南アジア市場と遜色ない成長を維持しているようにも見える。