>>(上)より続く

 皆、鈴木さんに対して口をそろえて言うのは「非常にマジメ」「完璧主義者」「ご家族とも仲が良く…」「どこでストレス解消しているか分からない…」などなどでした。いろいろ話を聞くうちに、鈴木さんと同期入社でライバルといわれている岩田さんからも話を聞くことになりました。

 私は岩田さんに「実は私は探偵です。単刀直入にお聞きしますけど、鈴木さんと1週間連絡が取れないということは何かしらに事件、事故に巻き込まれていると思います。小さな手掛かりでもいいので、何かしら情報はないですかね?」とたずねました。

 すると岩田さんは私の職業に驚き、「実は…鈴木は完璧主義者なので、自分の弱みを見せないのですが、奥さん以外にも女性がいそうな気配がありました。ただ、それを質問できない空気を出していました」。私はレンタカー店に連れてきた女性が不倫相手なのかな!?とシミュレーションしていました。その日はそこまでで家に帰りました。

 ひたすら今後の調査の進め方を悩んでいると、浜田さんから夜中に電話があり「片ちゃん今回は調査してくれてありがとう。もう解決しました」と報告がありました。私が「鈴木さんも見つかってレンタカーも見つかってよかったね」と答えると、浜田さんは「実は…」と語り出しました。

警察から2度も似たような電話
1度目の電話の主は…

 その日、浜田さんが夜勤に出てくると、「もしもし、こちら○○警察です」といきなり警察からの電話があり、浜田さんはびっくりしたそうです。「そちらのレンタカー屋さんで鈴木さんという方がレンタルされてますよね?今、その車両を見つけました。△△パチンコ店で確保していますので取りに来てください」

 浜田さんは「分かりました」と答えて電話を切りました。翌朝、所長に電話で伝えようと思って仕事を続けていると、その3時間後に電話が鳴り、「○○警察です。そちらで鈴木さんという方が車を借りられていますよね?今△△パチンコ店の駐車場でその車を発見しました。検証のために移動させます」と説明を受けました。