米政府がデンマーク領グリーンランドへの支援に乗り出している。北極圏での中国やロシアの影響力に対抗するための戦略の一環で、エネルギーや教育、観光の各分野に重点を置くという。複数の当局者が23日明らかにした。米国務省高官によると、米国からグリーランドへの1210万ドル(約13億円)の支援は、北極圏での困難な地政学的状況に対応するもの。デンマークは昨年12月、グリーンランドの首都ヌークに米国領事館を設置することを認めた。この高官は電話会見で記者団に対し、ロシアと中国が米国や西側諸国に対抗しようとする欲望によってもたらされた変化は世界の他の地域でも見られるとし、「北極圏でもこうした変化による影響を免れない」と述べた。