コロナ禍で「自宅リモート学習元年」となった学校と家庭で起きていること鴎友学園女子は2年前から自分の端末を学校に持ち込む「BYOD(Bring Your Own Device)」授業を進めてきた 写真提供:鷗友学園女子中学高等学校

オンライン授業で使われているツール

 2018年からICTツールの導入を始めた鵠沼(神奈川)は、クラッシーとリクルートのスタディサプリを利用している。この2つが最も行き渡っている教材・システムの双璧ではあるが、それ以外にも各校ではさまざまなツールを活用している。

 逗子開成(神奈川)は、学内サイト「Gonzui-Portal」を中心にオンライン学習を実施している。講義の動画やスタディサプリを活用した学習課題の提示や動画教材の提供をすでに行っている。Googleの共有ドライブやクラスルーム、ハングアウトを利用してホームルームや課題提出も含めた学習状況の把握も行っている。

 日本大学(神奈川)では、生徒・教職員全員に約2400台のiPadを配布してすでに活用していた。クラッシーやスタディサプリ、マルチサポート学習システム「eトレ」などによる自宅学習、授業支援ツール「ロイロノート・スクール」による授業動画の配信で、課題提出も行っている。

 生徒全員がiPadを活用、すべての教室に設置してある電子黒板と連携した教科学習に取り組むなどICT教育を進めている昭和学院(千葉)では、クラッシーに加えて、リアルタイム授業支援システム「Meta Moji ClassRoom」も利用して、課題を指示するなどしている。

 一方で、2018年から自分の端末を学校に持ち込む「BYOD(Bring Your Own Device)」授業を進めている鷗友学園女子(東京)では、ロイロノート・スクールを活用、授業での情報共有にはGoogleのクラスルームを利用するなどしてきた。

 休校期間中にはリアルタイム配信による双方向授業を行うとともに、生徒会活動等もオンラインで実施、大人数のものは非公開のYoutubeを利用した動画配信で、少人数のものはZoomでなどさまざまな方法を模索している。

 4月27日からすべての学年で、オンライン授業の試行期間が始まった。高2生の時間割を見ると、朝8時35分からのZoom朝礼もしくは小テストから始まり、40分授業が毎日3コマ組まれている。1限目は「現代文」「古典」「数学」「英語表現」といった科目が並び、2限目には理系・文系・芸術系と進路に合わせて「化学」「世界史」「音楽」がそれぞれ行われている。午前中で全校オンライン授業はいったん終わる。

 ゴールデンウイーク明けにも休校が長引くようであれば、この1週間での問題点を集約し改善することで、新たなオンライン授業を行うことになる。