しかし、それを無味乾燥な法律知識の暗記にどのように使えばいいというのだろうか? ドキドキする恋愛ドラマをわざわざ見て、その直後にでも暗記作業をすればいいのだろうか?

 私がさまざまな書籍で知った記憶術の多くは、結局、理論としては正しくても、実際の勉強には使えない、というものばかりであった。

 何度もいうが、結局、一番シンプルで効果が高く、実践しやすい記憶術は、「繰り返す」という方法だけだ。

 たしかに、地味で面白みもないが、これを実践すると、岩にへばりついた貝のように記憶した内容が頭にへばりつき、いつまでたっても忘れない。

 実際に私が司法試験の勉強中に記憶したフレーズに、「薬物事犯における薬物への故意は、依存性の薬理作用を有する心身に有害な薬物であることの認識があれば足りる」というフレーズがある。

 当時なかなか覚えられなかったのだが、繰り返し覚える作業をすることで記憶し、それから15年以上経過したいまでも一言一句、正確にいうことができる。受験勉強中からいままでその言葉を弁護士業務で使うことはなかったにもかかわらず、である。

 鬼のように繰り返して覚えたこと。

 それは、いつまでたっても頭の中から消えないのだ。

「忘れる→覚える」の作業で
ひたすら繰り返す

 では、どのように「繰り返し」をすればいいのだろうか。

 その方法もとてもシンプルだ。

「まず何かを覚えたら、次の日にまだ記憶しているかどうかを確認し、忘れていたら覚え直す。ひたすこれを繰り返す」

 その「徹底度」によって正否が分かれる。

 ここでポイントとなるのは、「毎回、自分に問題を出して記憶しているかどうかを厳しくチェックする」ということだ。