「面倒くさい」人材を使いこなせない日本企業の末路
企業は“研究オタク”を使いこなせるか? Photo:PIXTA

 コロナ騒動よりも前のことになるが、ビジネスマンを対象にした技術に関するセミナーに参加した。そこで、講師を務めていた大学院の教授(かつて企業の研究者だった)は、講義のなかで、「だいたい君らはジャーナル(専門分野の論文を載せた定期刊行物)すらちゃんと読んでいない。本も翻訳になってから読むのでは1年くらいタイムラグがある。いつも最新の知見から取り残されている。そんなことだからまともな研究ができない」と、ぶりぶり怒っていた。

研究オタクVS現場の鬼
企業に必要なのは?

 セミナーの途中、グループで話をする時間があり、少しは周囲の人との人間関係もできたので、参加している一流企業の研究者(及び研究企画)の人達に上記の教授のような発言をどのように受け止めているのかと聞いてみた。すると、

(1)ジャーナルには、たまに使えるネタもあるが、幹ではなく枝葉の「葉」の部分の検証ができたという論文が多く、ほとんど役に立たない。

(2)幹の部分のすごい発見の場合もあるが、その場合は実用化までの時間が相当かかるためすぐに役に立たない。

(3)研究成果そのものが価値を生むのではなく、研究成果から実用につなぐ(社会実装の)ところのほうが大変なのに、あの先生はそこが今一つわかっていない。企業で働いていたころはさぞ扱いづらかったであろう。

 ……という3点に比較的スムーズに集約され、意見の一致が見られた。

 さて、企業人はくだんの教授が言うような外部の最新の知見とやらに、どの程度付き合っておけば良いのだろうか。