DIY葬儀でネックに
なるのは「遺体の搬送」

 2000年代に入ると、都市部を中心に通夜・告別式をせずに自宅や安置所から直接、火葬場に行く「直葬」の割合も増えているという。葬儀形式が多様化している背景には「高齢化と死者数の増加が関係している」という。

「2018年の日本人の死者数は136万人で戦後最多を記録し、葬儀の数自体は増えています。しかし現代は、誰もがお金のかかる一般葬を行えるわけではないので、喪主の経済事情を踏まえて直葬が登場したようです。故人が90歳を超える高齢者の場合も、葬儀に呼ぶ知人や兄弟もすでに他界しているため『直葬』を選ぶ傾向がありますね」

 最近では、白と黒の鯨幕が張られるような大規模な一般葬は珍しくなっているという。時代の変化が葬儀形式に反映されているのだ。

 あまたある葬儀形式のなかでも、DIYと親和性が高いのは「直葬」。遺体の搬送、処置というプロの領域まで踏み込めるのならば、自治体の補助金を受け取って、3万円以下で火葬まで行えるケースもあるそう。最低でも数十万円かかる一般葬に比べるとかなりのコストカットだが、葬儀をすべてDIYにするには、それなりの“覚悟”が必要だという。

「DIY葬儀には、いくつかのデメリットがあります。まずひとつは、ハードルの高さです。特に、ご遺体の搬送には特別な車が必要で、亡くなった場所から安置所、火葬場など何度か移動があるので体力がないと難しいですね。搬送を専門にした業者に依頼する方がいいです」

 そのほか、遺体の処置や安置などの難しい工程も、プロの手を借りて行うのがベター。業者に頼んだ場合も、20万円以内に収められるという。ただし、業者の手配もすべて自分でやらなければならないので、その分の手間や労力、精神的負担もかかる。

「理論上は3万円以下に収められますが、現実的には難しいと思います。なので、個人ができる部分と、業者や葬儀社に頼む部分を判断する知識を身につけて、遺された人が納得のいく金額で故人を見送れるようになるのが理想です」