原油
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WTIが初めて
マイナス価格に

 2020年4月20日は商品市場にとって非常に大きな1日となった。ニューヨーク市場に上場する原油先物WTIがマイナス価格になり、一時▲40.32ドルで取引が成立したのだ。

「モノの価格はゼロにはならない」という先入観があったため、市場参加者の動揺は大きかった。

 とはいえ、すでに3月頃からワイオミング・アスファルト・サワーなどの重質油(重油やアスファルトなどが多く含まれるWTIと比較して安価な原油)はマイナス価格で取引されていた。そのため、CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)はWTIがマイナス価格になる可能性を考慮して、すでにシステムでマイナス取引が可能になるように調整を済ませていたのだ。

 そもそも「マイナス価格で原油が売買される」というのはどういうことか。

 それは簡単に言えば、「原油の売り手がコストを支払わなければ、原油を受け取ってもらえない状態になった」ということである。

 そう言われると驚く読者もいるかもしれないが、このようなことは普段の生活でもある話だ。

 例えば大型家電製品を廃棄するときには、処理費用を払って引き取ってもらうことがあるし、硫酸などの劇薬もコストをかけて処分することもある。

 原油も同様だ。何の処理も行わずに捨てたり燃やしたりすれば環境破壊をもたらすため、マイナス価格で取引されても不自然ではない。