高給で就職人気の高い総合商社は、日本に残された最後の旧来型エリート集団の象徴だ。だが彼らの稼ぐ力に今、限界が見え始めている。成長期待の低さから株式市場に見放され、若手人材の流出も止まらない。新型コロナウイルスの感染拡大が、旧来型ビジネスから脱却できない商社の姿を浮き彫りにする。商社は直面する苦難の時代を乗り切れるのか――。特集『最後の旧来型エリート 商社』は、4月20日(月)から26日(日)までの全13回でお届けする。
#1 4月20日配信(月)
三菱商事が業界盟主から「陥落」する日、旧来型エリートの迷走と凋落
新型コロナウイルスの大流行で日本経済への打撃が日増しに深刻化する中、商社業界で、ある歴史的な転換点が静かに近づいている。業界の盟主として常にトップ商社に君臨し続けた三菱商事の株価が急落し、時価総額で伊藤忠商事に追い抜かれようとしているのだ。近年の三菱商事の迷走ぶりを見れば、それはコロナによる偶発ではなく、必然の成り行きだと分かる。
#2 4月21日(火)配信
岡藤・伊藤忠会長CEOが激白!財閥系商社に勝つ「竹やり」戦略の中身
伊藤忠商事会長CEO(最高経営責任者)の岡藤正広氏が4月15日、ダイヤモンド編集部の単独インタビューに応じた。2010年の社長就任以降、当時業界4位だった伊藤忠をトップ級に引き上げた異能の商人は、新型コロナウイルスの感染拡大が業界に激変をもたらすと予言し、ライバルの三菱商事に勝ち続けるための戦略を明かした。
#3 4月21日(火)配信
元商社の若手エリートが暴露「高給と安定を捨てた本当の理由」【匿名座談会前編】
熾烈な就職競争を勝ち抜いたエリートのみが入社を許される総合商社。高給と終身雇用が約束されるが、それでも近年、商社を去る若者が相次いでいる。五大商社に入社後数年内で退社した20~30代の元商社マン4人に、実際に体験した商社内部のリアルを語ってもらった。
#4 4月22日(水)配信
「専門商社」ランキング、鉄鋼・繊維・食品…奥深さでは総合商社を凌駕
商社業界のプレーヤーは、巨大な総合商社のみにとどまらない。鉄鋼や繊維、食品などさまざまな業界に専門商社が存在する。奥深き専門商社の世界をランキング形式でお届けする。
#5 4月22日(水)配信
窓際族で年収2000万円!若手を幻滅させる腐った商社マンの生態【匿名座談会後編】
ウィンドウズ2000――。パソコンのOSの話ではない。年収2000万円をもらっておきながら、大した仕事もせずに社内に居座る“窓際族”の社員のことを指す隠語だ。入社後数年内に商社を去った若手が目にしたのは、そんな奇怪な社内の現実だった。
#6 4月23日(木)配信
商社の「出世事情」が激変!花形部門vs傍流部門、下剋上の歴史
商社業界で「背番号」と呼ばれる最初の配属先は、将来の出世を左右する重要な関心事だ。だが今の会社の主力部署に配属されたからといって決して安泰ではいられない。かつての花形部門が衰退し、逆に傍流部門の出身者が社内権力を握る栄枯盛衰の歴史を、商社は繰り返しているからだ。
#7 4月23日(木)配信
「商社では戦えない」、商社を飛び出した起業家が語る古巣への諫言
野心に満ちた若手ビジネスパーソンにとって、年功序列の人事制度を打破できず官僚化した総合商社はもはや、戦うべきフィールドではなくなってしまったのか。ベンチャー企業を旗揚げした“辞め商社”人材が語る古巣への“諫言”と“謝辞”の言葉から、レガシー集団の限界と苦悩を読み解く。
#8 4月24日(金)配信
三菱商事の平均年収1600万円!知られざる商社マンの給料・婚活・結婚生活
五大商社の平均年収は、この10年間で200万円以上もアップした。中でも三菱商事の平均年収は1600万円を突破。高給取りの実態に迫るとともに、婚活や海外駐在など商社パーソンの結婚事情についても紹介する。
#9 4月24日(金)配信
伊藤忠「遺伝子ビジネス」の全貌、GAFAとの覇権争いに参戦した狙い
商社生存の鍵を握るのが、デジタル化やデータビジネスへの参入だ。だが、この分野はGAFAに代表される世界的なプラットフォーマーが台頭し、商社が戦える余地は限りなく狭まっている。そんな中、「商いの次世代化」を標榜する伊藤忠が、人の遺伝子情報という究極のデータを使ったビジネスで覇権を握ろうとしている。
#9-2 4月24日(金)配信
【動画】伊藤忠と提携した全ゲノム解析ベンチャー、アイラックに潜入
個人の全遺伝情報を調べる「全ゲノム解析」。医療や創薬などへの応用が期待されながら、海外に大きく後れを取るこの分野で、今ある企業が注目を集めている。伊藤忠と資本・業務提携を結んだ筑波大学発のベンチャー企業、アイラック。全ゲノム解析の先にあるプラットフォーム構築とは何か。その最前線を創業者の解説付きでお届けする。
#10 4月25日(土)配信
「人の三井」復権なるか、物産が5月に始める“社内キャンプ”の荒療治
「組織の三菱」「結束の住友」に対し、「人の三井」の旧三井財閥の流れをくむ三井物産。そのDNAを呼び覚ますべく、全社的なプロジェクトが今、社内で進められている。彼らが志向するのは、強い個の力の覚醒、そして巨大化した商社各社に共通してまん延する縦割り慣行の打破だ。
#11 4月25日(土)配信
ワークマンの三井物産出身専務が語る「商社はこうやって使い倒せ」
アパレル不況の業界にあって快進撃を続ける作業服販売大手のワークマン。その躍進を支えるのは、三井物産に30年以上勤め、同社のマーケティング戦略を担う専務取締役の土屋哲雄氏だ。商社業界をよく知る土屋氏に、商社との上手な付き合い方について聞いた。
#12 4月26日(日)配信
三菱vs住友、庶民が集う小売りの現場で商社エリートたちが「華麗なる戦い」
ピカピカのエリート商社マンに、客商売はできるのか? 規模にものをいわせ、食品卸からコンビニエンスストアまで商流を支配する三菱商事には「やり過ぎ」との批判も付きまとう。片や住友商事は、優良な食品スーパーやドラッグストアを手塩にかけて育て上げたが、今後の規模拡大は容易ではない。
#13 4月26日(日)配信
墜ちた商社の神通力、諜報力劣化に見る旧来型エリートの末路
総合商社の最大の強みは、世界中に張り巡らせた情報網だ。日本製品を各国で売りまくり、あるいは最果ての地に資源を探し求め、そして時に国内外のビジネスをつなぐオーガナイザー役として商社が存在感を発揮できたのは、情報という武器を持ち得たからだ。だが、その諜報力に陰りが見え始めている。
Key Visual by Noriyo Shinoda