――筆者のグレッグ・イップはWSJ経済担当チーフコメンテーター ***  米国経済が直面しているのは流動性危機なのか、それとも支払い能力危機なのか。経済を健全な状態に戻す上で、この2つの違いが米連邦準備制度理事会(FRB)の重要性を決定付けることになる。  融資を利用できないために健全な企業が破綻するのが、流動性危機だ。このような危機はFRBが解決できる。紙幣を増刷し、無制限に資金を貸し出せるためだ。いくら資金を借りることができても企業が生き残れないのが、支払い能力危機だ。企業に必要なのは、売り上げを伸ばすことだからだ。これはFRBには解決できない。