北朝鮮の国営テレビは、健康不安説がささやかれていた金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の動静を約3週間ぶりに伝えた。これは、停滞している米朝非核化協議や北朝鮮の兵器実験のパターンが大きく変わる可能性が低いことを示しており、現状維持を裏付けた格好だ。正恩氏が1日、健康そうな様子でイベントに出席し、指導者として健在であることを印象づけたことで、ひとまず後継問題を巡る臆測は消えた。専門家の間では、11月の米大統領選を控え、非核化協議に関しては「無風」状態が続くと予想する声が広がっている。米朝協議は、3度の首脳会談を開催して以降、こう着状態が続いている。北朝鮮は今年に入り、兵器実験を複数回にわたり実施。ドナルド・トランプ米大統領にとっては新型コロナウイルス流行への対応や再選に向けた選挙活動など、国内問題が山積している。