ネット上には
自虐や皮肉の声も

 これまでも人々の考え方が違ったり、衝突したりは多かったが、大概どこかで折り合い、それぞれ自分の意見を持ったまま共存していた。だが、今は、食うか食われるか、水と火のように相いれない状態となった。

 これらの現象について、多くの専門家は「そもそも健全な社会は、いろいろな考え方が存在すべきであり、たくさんの声があって当然のことだ」と指摘している。

 そして、ネット民は自虐と皮肉を交えながら、次のようなコメントが寄せている。

「トランプはアメリカの大統領という職なのに、いつの間にか、中国で仲間になるか否かの基準となる副業も営むとは、本人は夢にも思わなかっただろう」

「今後、結婚相手を決めるのに、ルックス、性格、経済力など、そんなことではなくて、方方日記に対しての意見が基準にしたほうがいい」

「家族との家族愛、友人との友情を保つのに一番いい方法は、相手の政治的な立場を論じない、指摘しないこと。すなわち、教養とは、どんなことであれ、人を説得しないことだ」

 などなど…。

 とはいえ、筆者が思うに、現在の状況はやはり異常である。人の心にまったく余裕がなく、すぐに絶交・絶縁状態に進んでしまうからだ。

 平時であれば、お互いの意見を尊重し、冷静な判断を下せる人間であっても、非常時や緊急時にあっては、単純化された二元論に引きずり込まれてしまう。

 そもそも社会も政治も、複雑で矛盾に満ちているものだ。

 コロナ禍で「危機の時代」を生きるために、そうした矛盾を許容せずに自らの立場を明確にしなければならないならば、なんとも厳しい時代、ギスギスした時代になったことかとつくづく思う。