新型コロナウイルス感染による死者数について、注目されているワシントン大学の予想が今週約2倍に修正されたことは、社会活動をいつどのように再開させるかを検討している当局者の厳しい現実を物語っている。それは、新型コロナに関する多くの基本的な事実が未だに分かっていないことだ。疫学者が作成する多くのコンピューターモデルは、医療施設などの患者数の上昇率予想や政策策定の指針に使われる。作成に際しては、感染者数や死者数のほか、伝染が鈍化あるいは加速し得る過程などを予測する。だがモデルの出来不出来は、基になるデータや新型コロナウイルス感染症(COVID-19)についての知識で決まる。モデルは予想と推計に基づいており、新たな情報があれば変わる。変更は私たち自身の行動の変化が原因のことも多いが、コロナウイルスを巡る科学的理解がまだ途上であるせいでもある。研究者らはコロナについて、感染力といった基本的情報を特定しようと必死だ。感染者数や死者数が低く見積もられてきたため、公衆衛生当局もモデル作成者もパンデミック(世界的大流行)の全貌を把握することができずにいる。