加齢とともに増えていく
背すじを伸ばさないリスク!

なぜすべての歩き方において「背すじ最優先」なのか、お腹が凹むにとどまらないその理由をご理解いただくために、ひとつお試しいただきたいと思います。

背すじをわざと丸めた状態で、ひざを少し曲げて片足で立ってみてください。そうしたら、大股で歩きはじめるときのように浮いているほうの足を大きく前に伸ばしてみましょう。上半身が安定しないので、足を大きく前に伸ばしにくいはずです。

では、今度は、背すじをしっかりと伸ばして片足で立ち、同じように大股で歩くつもりで足を前に大きく伸ばしてみましょう。今度は、先ほどよりも足を大きく前に伸ばしやすくなったのがおわかりでしょうか。

歩くときには片足で立って足を前に伸ばして踏み出しますが、

背すじが伸びていないほど体幹が安定せずグラグラする

怖いので足を大きく踏み出せずに小股になる

足の筋力が衰える

転びやすくなる

加齢とともに、このような悪循環にいつの間にか陥ってしまうリスクがあるのです。

背すじを伸ばさないリスクは、長期的なものばかりではありません。私が整形外科で指導をしていたときに、まだ60代前半にもかかわらず、がんばって大股歩きをしたせいで股関節を痛めて来院した人がいました。上半身の安定がよくないまま、大きな歩幅でたくさん歩くほど関節に負担をかけてしまうのです。

以上、歩くときにも背すじを伸ばすことの重要性をご理解いただいたうえで、次回、お腹を凹ませる歩き方を身につける現実的なステップを紹介します。(次回に続く)