欧州自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)と「プジョー」ブランドを擁するフランスのグループPSAの合併計画は本来であれば、業界の変化の速さに対応するための態勢を整えることになるはずだ。だが、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)は自動車市場に――そして株式市場にも――両社いずれの経営陣が予想するよりはるかに劇的な変化を引き起こした。そのため、自動車業界の1998年以来で最大規模となるこの合併の条件がなお理にかなっているのか、疑問が生じている。両社は合併について、予定通り年内か2021年の早い時期に手続きが完了するとの見方を示している。事情に詳しい関係者によると、両社とも現行通りの合併計画を進める覚悟で、財務力強化と地理的多様性の広がりが見込まれることから、足元のパンデミックは戦略的な論拠を強めるとの考えだ。
フィアットとプジョー合併計画に暗雲、新型コロナで
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