第2の背景:お客が変わった!
経済のグローバル化とITの進歩は顧客を変化させました。どのように変化をさせたのか?次の3つの変化に注目してみましょう。
①不景気・デフレの長期化によって価格に非常にシビアになってきた。
②インターネットの普及によって欲しいものに対して妥協せず追求するようになってきた。
③消費者の得る情報が爆発的に増えたため消費者とのコミュニケーション方法が変化した。
①については、他の人と同じことしかできないのであれば価格で判断され、その価格も非常にシビアな値付けをされてしまう、ということです。特にインターネット上で比較検討できるようになってから、価格競争は非常にシビアになっています。つまり顧客の中で「集中と選択」が起こっているということです。
②については、個人事業主や中小・零細企業にとっては、逆にメリットになり得る話です。今まではニッチな分野が得意であっても、それを必要とする多くの人と出会うこと、というのは非常に困難でした。それゆえニッチな分野で他と差別化できるような「あなたならではの強み」があっても、何でも出来るということを謳わざるを得なくなり、その結果、価格競争に巻き込まれることになっていたのです。しかし、インターネットが老若男女を問わず、幅広い層に普及したことにより、ニッチな分野であっても、検索によって一定数の顧客と出会うことが可能になりました。しかも、あなたの強みを求めて検索をしてきた顧客は、価格では選びません。このような顧客の消費特性が「対価を支払ってでもあなたでなくてはならない価値を形成する」パーソナルブランド構築の効果を発揮させることとなりました。
③についても個人事業主や中小・零細企業にとってはメリットになることです。以前は消費者の情報源はテレビや新聞などのマスメディアがほとんどで、これは大量の広告を打てる大企業にとって非常に有利でした。しかし、インターネットの普及により消費者はマスメディアだけではなく、ブログやSNSなどを通じても情報を得るようになりました。ブログやSNSは大企業でなくても、個人がメディアを持つことを可能にしたのです。これらを通じての情報発信により、個人事業主・中小、零細企業がダイレクトに消費者に接することが出来るようになりました。
第3の背景:経験の長さやスキルだけで、顧客は動かなくなった!
上記の理由から、サービスを通じて得られるであろう期待感や満足度を満たしてくれると確信が持てる「信頼」がなければ顧客は動かなくなりました。
つまり、こういうことです。
顧客は、経験やスキルだけでは動かず、「自分に最も必要である」「自分を最も満足させてくれる」と納得するまで、妥協をしなくなったということです。
では、何が必要か?人となりというものが重要視されてきたということです。
今回は、上記背景を上手く味方につけ、福祉業界では珍しい「教育の専門家」として明確な差別化を図り、パーソナルブランドを確立してきた馬淵さんのケースをご紹介します。