発売1カ月で12万部を突破した『話すチカラ』。ほぼすべての人が必要とするこの「チカラ」のテクニックが満載の本書には、ビジネスパーソンはもちろん、主婦や学生の方まで、役に立ったとの声が殺到。そこで、それぞれの立場で『話すチカラ』を読んだ人たちに、本書の「使えるポイント」をおススメしていただく企画をスタート。まず1回目は、日々のお仕事で『話すチカラ』を駆使している職業、「記者」の方に本書の読みどころを語っていただきました!

安住アナのルーツは、「日本語」への愛

「土食って、虫食って、口しぶーい」。これを早口で言うと、ツバメの鳴き声のように聞こえるという。以前放送されたTBSラジオ『安住紳一郎の日曜天国』(毎週日曜 前10:00)で、安住紳一郎アナがこの話題を熱弁し、アシスタントの中澤有美子に公開レクチャー。最終的にはリスナーに電話をかけ、抜き打ちでテストまで行い、大盛り上がりとなった。

 文章をつづるにあたって、最も大切と言っても過言ではない冒頭の段落を丸々使って、一体何を書いているのだろうという思いは横に置く。

 多くのリスナー同様、私も日曜の朝からチャレンジして、そのくだらなさと「今のは、ツバメの鳴き声っぽく聞こえたかも」という気持ちから、ふっと笑みがこぼれた。

 一見すれば何気ない豆知識も、安住アナの言葉を通して聞くと、ストンと胸に入ってくる。まさに“安住マジック”だ。

 そんな安住アナが、明治大学教授の齋藤孝氏との共著で『話すチカラ』を出版した。

 かつて明治大学生時代に自身の教え子だった安住アナに、齋藤氏が「『話すチカラ』というテーマで一緒に本を作らないか」とオファー。安住アナが「2人で本を書かせていただくなら、明治大学は外せない。明大の教職課程の学生たちの前で話した内容を本にしませんか」と提案し、その授業と2人の対談をまとめる形で完成した。

 日本語のプロである2人が「わかりやすく話す」「人間関係がうまくいく話し方」「話すためのインプット」「日本語の面白さにハマる」「上機嫌で話すマインドセット」の5章にわたって、さまざまなポイントを紹介。「たとえはできるだけ具体的に」「相手を気持ちよくさせる」「他人の3倍のインプットを心がける」「与えられた持ち場でできることを考える」といった項目が並んでおり、マジシャンの種明かしのように2人の経験をもとにした具体例が提示されている。

 同書の魅力に迫るため、私は安住アナにインタビューを行い、2本の記事にまとめた(「安住紳一郎が考える、情報番組の“言葉の力”たけしの暴走への対抗策とは」 「アナウンサー安住紳一郎がラジオで手にした“武器”局アナ貫き「司会者」目指す」)。

『新・情報7days ニュースキャスター』(毎週土曜 後10:00)は、生放送の情報番組という性質上、本番中に大幅に構成を変更する決断も求められるが、インタビューでは次のような“信念”を語ってくれた。

「出している情報はほかの番組と同じで、独自の情報がたくさん出ているわけではないので、結局情報の伝え方と見せ方と並べ方で違いが出ます。同じ商品を売っているけど、接客態度と包装紙とお店のランクで違いが出るようなもので、情報番組も、きちんと注意をして作業をすれば、よりよく伝わる。今のように世の中が混乱している時は、本当にリーダーの一言、前に出てしゃべる人の一言で変わります。本当に言葉には力があるんです」

 常に言葉と向き合い続けている安住アナだが、そのルーツとなっているのは“日本語”への愛だ。