リアルタイムにノートを共有していく「U-NOTE」。今秋にはAndroidアプリ/スマートフォンブラウザへの対応を予定。イベント会場にPCを持参することなく、ノートの作成が可能となる。

 昨今、「東大生ノート」に「100円ノート」、あるいはスマートフォンとの連携法など、いわゆる「ノート術」が流行りだ。

 だが、ソーシャルノートサービス「U-NOTE」は、そんなノートのイメージを覆すものとなるかもしれない。ソーシャル時代のノートは、ひとり孤独に書き記すものではない。みなでリアルタイムに共有していくものだ。

 U-NOTE活用術としてビジネスパーソンにとって重宝しそうなのは、イベントやセミナー等での活用だ。ひとりですべての内容をメモしていくことは難しいものだが、U-NOTEを使えば、そこにいる参加者たちといっしょに一冊のノートを作り上げることができる。ある種の一体感も生じるから、イベント終了後のコミュニケーションの促進にも役立ちそうだ。あるいは、自身が参加できなかったイベント内容をあとで確認するといったこともできる。

 U-NOTEでノートを共有するには、まず「グループ」を作成する。ここに集まるのはノートを共有する仲間たちである。もちろん、自分ひとりでもかまわないし、あるいは既存のグループに参加することもできる。

 グループに入ると、左カラムにグループ参加者の投稿がリアルタイムで表示されていく。右カラムはユーザー自身の「ノート」だ。ユーザーは自分でノートを取りつつ、必要であればグループ参加者の投稿を自身のノートに“引用”することができる。引用の際は、該当の投稿をクリックするだけで、あっという間に自身のノートに反映される。こうして、自分の書き込みと参加者の投稿とを“編集”していくことで、自分だけのオリジナルノートが完成するという仕組みだ。

「リアルタイムに共有することで、その場にいる他の参加者が何を考えていて、どうノートに書き記しているかを知ることができます。それにより、ユーザーは新しい発見や知見を得ることができます。U-NOTEを使うからこそ、学びを深め、本当に知りたい情報をつかむことができると実感してほしいですね」(株式会社U-NOTE 代表取締役CEO 小出悠人氏)

 実際にU-NOTEでは、イベントやセミナー主催者との連携を積極的に推し進めている。最近の例で言えば、IT起業家向けのミートアップイベントを手掛ける「Startup Dating(スタートアップ・デイティング)」と提携。同サイトに掲載されている「MOVIDA JAPAN」主催の起業家向けスクール「MOVIDA SCHOOL」での講義内容をまとめた記事に、U-NOTEで作成されたライブメモへのリンクが張られるようになった。ユーザーは編集済みの記事と、当日のリアルタイムメモの両方を参照しつつ、そこに自分の意見や考えを付加したノートを自由に作り上げることができる。

「現在、IT系に限らず様々なイベント主催者と連携を進めています。弊社ライターを派遣して、アーカイブを作成・公開していくパターンや、U-NOTEを公式利用ツールにしてもらうことで、イベント参加者を巻き込み、現場での濃いコミュニケーションを生み出していきます」(同氏)

 近年ではイベントやセミナーを動画配信することは当たり前となっている。だがそれらを編集可能なテキストとして保存できるサービスは意外に少ない。今後は「イベント内容をまとめたデジタルコンテンツの販売」(同氏)なども視野に入れているということだが、ニーズは十分にあると思われる。

 U-NOTE活用術は、講義録だけに留まるものではない。普段行っている勉強会や、日々記している読書記録などもソーシャル化することでまた違った発見があるかもしれない。自分だけの「ソーシャルノート術」を、ぜひ考えてみてはいかがだろう?

(中島 駆/5時から作家塾(R)