これまでに、女性部下を育てるためのステップとして、女性を知ること、そして仕事に不適切に働く意識を改善していくにはどうすればよいかお話ししてきました。
しかし、変わらなければいけないのは女性だけではありません。
女性を真に戦力化し、チームの力を底上げするためには、男性社会の風土で働いてきた上司の皆さんの意識や言動も変わることが求められています。それでは部下のやる気を引き出し、それを育んでいくために、上司はどう変わればいいのでしょうか。
話しかけないでオーラで
トラブル炎上
上司に対して、「この人のためにがんばろう」と思えたとき、女性は最大のモチベーションとパフォーマンスを発揮します。そんな信頼される上司になるために一番重要なことは、日常の些細なことに手を抜かないことです。たとえば日頃のコミュニケーションにも大きなポイントがあります。
コミュニケーションにおいては「話すこと」より「聞くこと」が大事です。特に女性は、情報収集目的の男性と違い、共感を得るためにコミュニケーションを取っています。したがって、女性部下に対しては、なおさら「聞ける上司」を目指すのが必須だといえます。
しかし部下は自分から上司に話しかけにくいものなのです。忙しい上司であればなおのことでしょう。特に女性はよく見ていますから、自分の席にすらなかなか座れない多忙な上司を気遣って、話しかけるタイミングをつかみかねているかもしれません。そんな多忙な状況に振り回されるがままに、上司が「話しかけないでオーラ」を出していたら大問題。
上司の「話しかけないでオーラ」に怯んで、部下がホウレンソウ(報告・連絡・相談)をできなくなると、トラブルの火種に上司が気づけないという問題が発生します。悪いニュースを報告しなければならないのに、上司が忙しそうにしていて(しかもイライラしている様子)は、ついつい部下も報告を後伸ばしにしてしまう。そのうち、トラブルの火種が炎上します。
「どうしてもっと早く報告しなかったんだ!」とそこで部下を叱りつけても、忙しい上司に遠慮して報告するタイミングをつかみかねていた部下は、「自分のせいでしょ!」と心の中で大爆発。素直に耳を傾けることはできないでしょう。