さて、冒頭で述べた仮説に決着をつけましょう。

「マスクバブルが崩壊したのでコロナ収束も近い」というのは、因果関係的としては正しくないという話を、これまでしてきました。コロナ収束が近いのは、マスクとは関係なく、国民が高い自粛率をキープして我慢してきた中で、暖かくなってきて他人にうつりにくくなってきたからです。

 一方で、マスク不足のために増産していたマスクがどんどん日本に到着するようになった。その段階でコロナが収束しそうになってきたから、マスクの投げ売りが始まったというのが因果関係に基づく説明です。

 しかし、私のような未来予測の専門家の視点でいえば、そのような因果関係による分析は実社会のほんの一部のことしか説明ができないということも事実なのです。本当はさまざまな要因が複雑に絡み合って、未来に起きることが決まる。だから未来予測の専門家は、因果関係よりも相関関係に広く注目することに力点を置いています。

相関関係で眺めればマスクバブルの
崩壊からコロナ収束は予測できる

 春が来たということは、なぜわかるのでしょうか。

「桜が咲いて春が来た」と言えば、因果関係にうるさい人からは「ちーがーうーだーろー!」と突っ込まれるかもしれません。

 確かに、因果関係としては逆で、春が来て気温が上がったから桜が咲いたのです。しかし、私たちが世の中の変化に気づくのは、そういった相関関係からだということも事実なのです。それに、桜が咲いたことを喜んでいる相手に対して、「違う」と論理的に突っ込むのは野暮というものです。

 つまり、未来を相関関係で眺めれば、「マスクバブルも崩壊し、マスクをつけずに外出する人も増え、友達から飲みに誘われるようになって、ビックカメラで任天堂スイッチが手に入り、パチンコ屋が営業を再開し、賑わっている」ことに気づいたら、「そこからコロナ収束が近いことがわかるよ」という話なのです。

(百年コンサルティング代表 鈴木貴博)