新型コロナウイルスとの闘いは戦争に例えられることが多い。2014年にロシアを後ろ盾とする武装勢力との紛争が始まったウクライナ東部は、歓迎されない侵略者と長年戦ってきた経験を武器にコロナと闘っている。  当地で紛争と新型コロナ流行の両面で医療対応の指揮を執るのはセルヒー・レジェンコ医師(54)。微妙なかじ取りが必要とされる仕事だ。  レジェンコ医師のスタッフは9日、頭部を銃撃された兵士の治療に当たった。手術は2時間に及んだ。病院の別の一角では、新型コロナに感染した女性(23)を救おうと救急担当医らが必死になっていた。女性は内出血して肺炎を起こしており、流産した。