まず、極端な買いだめが目立ちます。コロナ騒動が起きてから、すでにある冷蔵庫のほかに、冷凍庫を買い足したそうです。肉や魚、冷凍可能な野菜や冷凍食品を買いだめしては冷凍。おそらく、数カ月は買い物をしなくても食べていけるだろうという量が、新しい冷凍庫に詰まっているようです。そのほか常温での保存食品も大量に購入していました。

 このような状態ですから、食費だけで見るといつもの月の約2倍。Sさんのご家庭は食にお金をかける傾向があり、コロナ影響以前でも食費に月10万円ほどかかっていました。3人暮らしといっても、1人は5歳の子どもなので、1カ月に10万円は多い方だといえます。コロナの影響が出始めてからも食事の内容に変わりはないようですが、「買いだめ」が支出をはね上がらせているのです。

 こうした傾向は日用品の購入状況にも表れています。シャンプー、リンス、洗濯洗剤、トイレットペーパー、ティッシュペーパーはもちろん、犬用のトイレマット、ラップ、ポリ袋……といったあらゆる日用雑貨品を、半年分はあろうかというほど大量に買いだめしているのです。

 さらには、家にこもっているので、ストレス発散といわんばかりにネットショッピングで買い物をしています。洋服、装飾品、健康グッズなどなど……。子ども服も過剰に買っています。

 また、おやつ、落書き帳、色鉛筆などといった物への出費も増えています。水風船も大量パックで5袋も買ったと笑って話します。

 これだけあれば外出しなくてもすむ、と考えているようですが、外出しないから支出が止まるということはありません。食品も日用品も雑貨も、ネットで日常的に買っており、支出のペースはなかなか改善しそうにもありません。

支出増加を戻すのは一苦労
不安で家計が乱れる家庭は要注意

 Sさんにこうしたお金の使い方になってしまう原因を聞くと、「不安なんです」と話します。こう言われると、個人の思いだけに完全否定もできなくなり、話は行き詰まります。そしてなにも変わらないのです。

 ただ、気が付いてほしいのは、このまま収入以上の支出を続けてしまうと、結構な速さで貯金がなくなってしまうということ。ご本人たちは、これほどの支出は長く続かないと思っているのかもしれませんが、人は支出を増やすことに慣れてしまうと、なかなか元には戻せません。