筆者は15年前、自宅近くの研究室でデベンドラ、サティエンドラのクマール兄弟に会った。当時、2人はデーナの社員だった。同社はセミトレーラートラックやバス、SUV(スポーツ用多目的車)の部品メーカーだ。だがその研究は時代の先端を行くものだった。クマール兄弟が在籍したのはデーナの「創造的破壊技術」部門だ。彼らは1999年、100ドル(現在の価値で1万円強)の電子レンジを購入。金属を電子レンジにかけるという常識外れの研究を始めた。(自宅でこれをまねしてはいけない)。2005年には炉に代わる熱処理装置「アトモプラス(AtmoPlas)」を完成させた。鋼鉄の表面強化のほか、将来的には燃料電池の水素生成などの用途が考えられる。
米老舗3M、「先見の明」支える15%ルールとは
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