古い格言である「安く買って、高く売る」には、キャッシュフローに関して必然的な帰結がある。「回収は早く、支払いは遅く」だ。だが企業が良いことをやり過ぎる場合もある。遅く支払うことで生まれるキャッシュフロー上の恩恵が、時として(少なくとも帳簿上は)驚くほど大きくなり、投資家が企業の財務力と流動性についてゆがんだ見方に陥る可能性がある。昨秋の米自動車部品メーカー、ファースト・ブランズの経営破綻は、長年使われてきた金融手法、特に「サプライチェーンファイナンス」と呼ばれる分野に改めて監視の目を向けさせた。新たな開示要件により、数年前と比べてこうした手法に関する透明性も増している。あらゆるセクターの投資家に対する教訓は、「キャッシュフローは決してうそをつかない」という格言が正しくないことだ。現時点で遅く支払う能力を持つ企業が、いつまでもそれを維持できるとは限らない。その能力を失えば、蓄えた現金が流出に転じる可能性がある。経済が踊り場局面に入った際には警戒すべきだ。
キャッシュフローのうそ、米車部品メーカー破綻で注目
新たな監視の目が向けられる金融手法「サプライチェーンファイナンス」
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