中国の李克強首相は22日、政府は2020年の国内総生産(GDP)成長率の数値目標設定を見送ると述べた。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を巡る不確実性への対処が続く中、中国経済が直面している厳しさを明確に認めた形となった。公式な成長率見通しが示されないのは、政府が1994年に数値目標の設定を開始して以来初めて。中国が発表した昨年のGDP成長率は目標レンジの6~6.5%に収まったが、前年比6.1%増となり、約30年ぶりの低い伸びとなった。20年1-3月期のGDPは前年同期比6.8%減となり、約40年ぶりにマイナスを記録した。李首相は全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の施政方針演説で、政府は20年に900万人の新規雇用創出を計画していると述べた。昨年目標の1100万人を下回った。公式データによると、昨年の新規雇用者数は1352万人で目標を上回った。