「隠れ失業者」517万人を含むと
失業率が11.3%まで上昇する深刻

 ところで、失業者とは定義されないものの、休業状態にある実質的な失業者数は相当数に達するだろう。

 そこで、実質GDPの減少分だけ就業者の調整が行われると仮定した場合の潜在的な失業者を、まず計算する。そこから、実際の失業者数を引いた部分を「隠れ失業者」としよう。

 隠れ失業者数は、リーマンショック時には355万人、今回は517万人になると推計できる。その場合、隠れ失業者を含む失業率は11.3%まで上昇する計算だ。実質的には、日本でも失業率は2桁に達すると予想することができるのである。

リーマンショック時より
雇用情勢が悪化しやすい面も

 以上では、リーマンショック時の経験に即して、先行きの失業者増加数と失業率を推計した。他方で今回は、リーマンショック時と比べて雇用情勢をより悪化させやすい要因もある。

 リーマンショック時には、海外経済の悪化や貿易金融の混乱などによって、輸出の悪化が際立った。その際に最も大きな影響を受けたのは、輸出型大企業であった。

 それに対して現在では、最も大きな打撃を受けているのは飲食業など内需型サービス業である。それらは、中小・零細企業が中心である。大企業と比べて中小・零細企業は雇用を維持する力が格段に弱いはずだ。倒産や廃業に追いこまれることで、労働者が職を失うケースも多いだろう。