中国は新型コロナウイルス封じ込めに向け、感染が疑われる市民を特定・追跡するスマートフォンのツールを開発した。だが、こうしたアプリを常設する計画が浮上したことで、かつて個人のプライバシーは二の次とされてきた中国でも、懸念が高まっている。杭州市の保健当局がコロナ対策として導入したスマホの健康評価システムの常設版を構築する可能性があると発表したことを受け、ソーシャルメディア上ではこの週末、市民が怒りを爆発させていた。パンデミック(世界的大流行)に乗じて、国家の市民監視を強化しているとして非難する声も上がった。中国検索大手、百度(バイドゥ)の最高経営責任者(CEO)で、政府の助言機関である全国政治協商会議(政協)の委員でもある李彦宏氏はこの数日前、コロナ対策として行われているセンシティブな個人情報の収集を抑制する新規定を提案していた。政協は現在開幕中の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)に合わせて招集されている。