昨年夏、重さ50万ポンド(約226トン)以上の中国製変圧器が船で米テキサス州のヒューストン港に到着した。デンバーに電力を送るコロラド州の変電所に向かうはずのものだった。だが、変圧器はコロラド州に着かなかった。関係者によると、変圧器は連邦当局者が港で奪い取り、ニューメキシコ州アルバカーキのサンディア国立研究所に護衛付きトラックで輸送した。変圧器はジャンスー・フアペン(JSHP)・トランスフォーマー・カンパニー(江蘇華鵬変圧器)が製造したものだった。サンディアのエンジニアが何を発見したかや、押収の理由はまだ明らかにされていない。同研究所は航空電子部品大手ハネウェル・インターナショナルが運営し、米エネルギー省との契約の下で国家安全保障上の脅威を解決する任務を帯びている。電力会社が資金拠出する技術機関エレクトリック・パワー・リサーチ・インスティテュートのマイク・ハワード最高経営責任者(CEO)は、巨大で高価な変圧器が流れてくることは聞いたことがなく、極めて異例であるため、当局がセキュリティー上の重大な懸念を抱いていることを示唆すると述べた。
中国製の巨大変圧器、米で謎の押収
安全保障上の重大な懸念に沿った措置か 連邦当局は理由明かさず
有料会員限定
あなたにおすすめ