◇コンビニでの採用

 それだけでは終わらない。このバーコード技術の保守・修理・管理を担当する会社として設立されたSKKは、小売企業への導入に乗り出した。

 最初に手を挙げたのはセブンイレブンだ。POSレジを導入したばかりだったセブンイレブンは、販売情報を迅速に管理するだけでなく、頻繁に入れ替わる大量の商品の納品と検品を手早く正確に行うために、このバーコード技術を自分たちで応用した。すると売り逃がしロスが減り、売上も飛躍的に向上。結果、他のコンビニエンスストアでも導入されるようになった。

 こうして得られた売上を原資としながら、デンソーはQRコード開発へと踏み出していく。

【必読ポイント!】
◆QRコードの誕生
◇「かんばん」の限界

 QRコードの父と言われているのが、当時デンソーで技術者をしていた原昌宏であった。

 1980年代に入り、モノ不足の時代からモノ余りの時代に突入したことで、自動車にも多様性が求められるようになった。部品工場でも多種多様なものを管理する必要に迫られ、NDコードの「かんばん」に限界が見られはじめた。NDコードのような一次元シンボルでは、取り扱える情報量が少ないためである。

 そこで、アメリカで盛んに開発されていた二次元コードを独自にアレンジし、新しいコードの開発に着手することになった。より大容量の情報を短時間で簡単に、ミスなく処理できるようにする挑戦の始まりである。

◇マトリックス型の採用

 新しい二次元コードには、少なくとも200桁以上の情報を「かんばん」に表示し、ワンタッチで油などの汚れにも強く、伝票処理に必要な情報を盛り込めるといった条件が求められた。

 そこで当時主流であった二次元コードのうち、コード内に正方形あるいは点を格子状に配置し、より多くの情報を格納できる、マトリックス型を採用することにした。既存の二次元コードは、大容量の情報格納、サイズ設定の柔軟性、高速読み取り機能のどれかを実現する設計となっていた。