ETFは競争とコスト構造上、本来もっと運用管理費用が下がってもいいはずだ。しかし、この補助金を減らさないために、運用会社が日銀保有の大きなETFの費用水準引き下げに動かないインセンティブが働く。日銀のETF保有は、競争の阻害要因でもある。

 日銀が「普通の投資家」であれば、運用手数料の高いETFから、手数料の安いETFに保有銘柄を入れ替えるべきだが、そのような「当たり前の行動」がやりにくいのが日銀という大投資家の現状だ。

 せめて、大口の保有先の運用会社に対して、ETFの運用管理手数料の引き下げ交渉をしてもらえないものか。手数料が下がれば、一般投資家にとってメリットとなる。

 手数料の問題は、株式の保有構造よりも小さな問題であるように見えるが、お金の流れの現実として理解しておきたい。

日銀のETF保有に対して
適切な出口戦略はあるのか?

「株式の保有構造として良くない」「政策として筋が悪い」と批判してみたものの、日銀のETF保有に適切な出口戦略はあるのだろうか。

 おそらく、「不可能ではないが、現実的でない」がこの問いへの答えなのだろう。

 当面の政策体系の中では、インフレ目標を達成するまで金融緩和政策を「後退」させるメッセージは出せない。そのため、政策が人々の「期待」に与える影響を重視する日銀が「ETF購入の休止」「ETF購入額の減額」「保有ETFの適宜売却」といった方針を打ち出すことは考えにくい。

 日銀のETF保有額は、今後しばらくの間(数年程度?)だらだらと増え続けるだろうし、大量の上場株式が日銀にぼんやりと保有され続けるだろう。