『あやうく一生懸命生きるところだった』という韓国人が書いたエッセイが話題を集めている。韓国で25万部、邦訳版も7万部を突破し、読んだ人たちからも「心が軽くなった」「救われた」「共感の嵐だった」と絶賛の声が相次いでいる。

その本の帯に「人生に悩み、疲れたときに立ち止まる勇気と自分らしく生きるための後押しをもらえた」とコメントを寄せたのが、アイドルグループのメンバーとしても活躍した有安杏果さんだ。

幼いころから芸能界で活躍し、子役やCM、アイドルグループを経験後、ソロアーティストへ。誰もが認める“頑張り屋さん”。だからこそ「立ち止まる勇気」が必要だったと振り返る。

忙しくも充実した日々の中で浮かんだ想い、強く踏み出した新たな歩みを、この本がどう後押ししたのか。先の読めない今、自分自身の生き方を見つめ直したい方にぜひ知ってほしい「立ち止まる勇気」について有安さんに聞いた。(取材・構成/佐藤結衣)

「これまでの生き方を、
真っ向から否定されたように思いました」

有安杏果(ありやす・ももか)
1995年3月15日生まれ。歌手、写真家。0歳から芸能活動を始め、CMやドラマ、MVなどに出演多数。2017年3月日本大学芸術学部写真学科卒業。芸術学部長特別表彰受賞。写真学科奨励賞受賞。2009年7月から8年間アイドルグループで活動し2018年1月卒業。2019年1月音楽や写真などを通して表現し伝えていく活動を発表。
有安杏果オフィシャルサイト
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――帯コメントを寄せられた『あやうく一生懸命生きるところだった』ですが、その第一印象はいかがでしたか?

 最初にタイトルを聞いた時、「頑張らずに生きようよ」というゆるい感じの本なのかなと思いました。表紙にも猫ちゃんと裸で寝転がる男の人のイラストがあって、のんびりした雰囲気だったので(笑)。でも、読み始めたら全然そういう話じゃなくて。

 世の中に固定概念として刷り込まれているものを、ちょっと冷静になって考え直してみては? と問いかけてくれるものでした。一旦「こうあるべき」という考えや常識、欲望を脱ぎ捨てて、裸になろうよと言ってくれているような。脱ぎ捨てたときに残った自分の価値観を見つめ直して、マイペースに生きていくのも一つの幸せなんだなと教えてもらえる本でした。

――有安さんにも「こうあるべき」というものが、ありましたか?

 小さいころからずっと芸能界でお仕事をしてきたこともあって、とにかくそのときどきで「一生懸命頑張らなきゃ!」「頑張らないといけないんだ」という考えが強かったと思います。

 だから、最初にタイトルを見たときには、今までの生き方を真っ向から否定されたようにも思えました。個人的には、何事にも一生懸命頑張ることって好きですし、大事なことだと思っていたので。

 でも、たしかにがむしゃらに夢中になっているときほど危険なことも確かだな……と同時に共感もしたんです。そういうときほど、長期的な視点で物事を見たり、落ち着いて冷静に考えることが難しいので。

 最初は自分がやりたいと思って頑張っていたことでも、だんだんと方向がズレていることに気づかず、自分がやりたいことなのか、本当にやるべきことなのかを判断できなくなることってありますよね。それが原因で、ときに身体や心を壊してしまうこともある。

 だから、この本を読んで「一生懸命頑張る」ことと「立ち止まる勇気」の両方を知っていることが、大切なのだと気づかされたんです。だから、帯コメントにもその言葉を使わせていただきました。