米ワーナー・ミュージック・グループ(WMG)は本来、音楽配信(ストリーミング)会社ではない。だが音楽業界の特殊な事情を踏まえると、投資家はワーナーをそのように評価すべきだ。世界第3位の音楽レーベルであるワーナー・ミュージックは3日に再上場し、新規株式公開(IPO)価格は25ドルと想定レンジ上限に迫った。上場初日の株価は取引終了までにさらに20%高となり、過去数カ月にわたる新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)やここ数週間の不穏な社会情勢で停滞していたIPO市場を活気付けた。さらに言えば、上場したばかりではあるが、上値余地はまだある。ワーナー・ミュージックの時価総額は約150億ドル(約1兆6370億円)と、音楽配信業界最大手スポティファイ・テクノロジーの半分にも満たない。この2社の関係は重要だ。スポティファイはワーナーにとり最大の単独収入源で、前期(2019年9月期)の売上高の14%を占めた。両社は4月、新たなライセンス契約を結んだ。
ワーナー・ミュージック、カギは音楽配信事業との共生
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