超高齢化社会となっている日本では、「孤独死」する人が多く、社会問題化している。一方、同じく、少子高齢化が急速に進んでいる中国では、現在のところ、あまり「孤独死」は起きてはいない状態である。なぜ、中国では孤独死がほとんどないのか。その理由や背景を解説する。(日中福祉プランニング代表 王 青)
日本で日常的に見られる「孤独死」
中国では高齢化社会でも少ない
日本では、近年「孤独死」という言葉は、日常的に見られて、一種の社会現象になっている。「孤独死」の定義は、「死後1週間を超えて発見された人」や、「65歳以上の一人暮らしで誰にも看取られずに亡くなり、2日以上たった人」などで、地域や自治体により異なるなど、はっきりとしたものはないようだ。
いずれにしても、誰にも看取られずに亡くなり、数日後に発見されるというケースが増えているのが実情だ。その多くは、地域社会とのつながりが薄く、身近なところに親族や親友がいない人、自分の体や生活を管理できない「セルフネグレクト(自己放任)」の状態にある人とされている。
日本は世界で類を見ない超高齢社会であるため、今後も一人暮らしの高齢者が増えていく中で、「孤独死」のリスクはますます高くなると予測されている。