【大邱(韓国)】韓国で新型コロナウイルス感染の震源地となった大邱(テグ)市。ピークから3カ月余りを経て、市中感染がほぼ消滅するまでに状況が改善した。だが、ウイルス封じ込め策を緩和する兆しはほとんど見られない。
路上ミュージシャンはマスクをしたまま歌っている。大学生もコロナ検査を受けなければ、寮には戻れない。大規模な集会は依然として禁止のまま。再び感染が急増した事態に備え、300の病床が未使用のまま待機している。
中国以外で、大邱市ほどコロナとの長い闘いを強いられた場所はあまりない。だが市民は、2月半ばから雪だるま式に感染者が急増していた状況から事態を好転させた防止策に対して、忍耐を失っていない。むしろ、極めて厳格な措置に市民がすっかり慣れてしまうという、逆のことが起こった。
大邱市が警戒を解いていないという現状は、コロナ感染が深刻化した都市の一部は、比較的安全な状況になっても、元の生活に戻ることをためらう可能性があることを示唆している。約1万2000人に上る韓国の感染者のうち、約6割は大邱市(人口240万人)だ。ここ約2カ月は、大邱市で1日当たりの感染者が10人を超えたことはない。