「目標」を決めなければ、情熱は続かない
株式会社アースホールディングス 代表取締役社長
1958年生まれ。福島県出身。工業高校を卒業後、地元の縫製工場に就職。19歳のとき、美容師の経営者になることを目的に上京し、東京・新宿の美容室に住み込みで就職。1年半後には店長、5年後には17店舗を管理するマネージャーとなる。その後30歳で独立。葛飾区に「HAIR&MAKE EARTH（ヘアメイクアース）1号店」をオープンする。大型店舗展開で業績を伸ばし、約10年後には16人ものフランチャイズオーナーを育て、総店舗数も100店舗に達する。2007年にはロンドンにも進出。現在、日本全国に240店舗を展開。フランチャイズオーナー104名、総従業員数約3000名にものぼる。著書に、『地道力―目先の追求だけでは、成功も幸せも得られない！ （新版）』（ＰＨＰ研究所）『成功を引き寄せる 地道力―年商200億円、全国200店のFC展開を成功させた社長学』（扶桑社）がある。
―― 情熱を継続させるためのポイントを教えていただけますか？
國分：それは、「目標」を持つことでしょうね。目標がなければ、情熱を継続するのは難しい。目標がない人は、諦めるのも早い。
「目標が決まっていない人」や、「自分がどこに向かっているのかわからない人」は、大勢いると僕は思います。
僕が19歳で上京したのは、「美容室の経営者になる」ためです。その目標がなかったら、とても頑張れなかったですよね。
たとえば、富士山へ登ると決めます。目標が決まれば、どっちに向かって歩いて行けばいいかわかるし、交通手段だって、電車で行くのか、車で行くのか、途中まで車で行ってそこから先は歩いて行くのか、ヘリコプターで1番上にボーンと行くのか、手段や方法が決まります。「富士山の頂上に登る」と決めないかぎり、方法論も決まらないわけです。
―― 國分社長は、最初、「個人店の経営者になること」を目標としていたそうですが、なぜ、多店舗展開を考えるようになったのですか？
國分：最初に勤めたお店が、フランチャイズ展開している会社だったんです。それに僕も、素直に乗っただけ（笑）。単純な理由です。
その会社が、フランチャイズを目指して1店舗から17店舗に拡大してフランチャイズオーナーを3名つくったんです。「だったら僕もやれるだろう」と思ったのがきっかけでした。
20代は体を使う。30代は頭を使う
―― 國分社長が「自分が輝くのではなく、まわりのみんなを輝かせる」ことにシフトしたのはなぜですか？
國分：それは、僕にはプレイヤーとして輝く能力がなかったからです。今は輝いていますけどね（笑）。おそらく僕は、マネジメントのほうが得意だと思う。自分のことより、人の成長や成功が何よりも嬉しいですから。自分が輝くことより、人を輝かせるほうが好きですね。
―― 山下さんも、「國分社長は人を輝かせるのが得意」だと思われますか？
山下：得意だと思います。僕みたいな人間、他の会社組織にいたらすぐクビになりますよ、使いにくくて（笑）。そんな僕をここまで育ててくださったわけですから、國分には人を輝かせる力がある。そして、器が大きいですね。
―― 山下さんが、今の20代、30代の人に働き方のアドバイスをするとしたら、何と言いますか？
山下：20代は、体を使って、汗をかいて、一所懸命仕事をする。30代は、体だけではなく、頭も使う。頭から血が出るのではないかと思うくらい（笑）、自分の頭で考える。
30代が終わるまでは、あれもこれもと欲張らないほうがいいでしょうね。ひとつのことに集中して、腰を据えて、体と頭をフル回転させた人が成功すると思います。
