「誘われたら断らない」ことが人脈づくりのポイント

―― 國分社長が「人脈」をつくる上で、もっとも大切にされていることは何ですか?

國分:僕はこれまで、美容業界の人脈をあまり広げてこなかったんです。美容業界は狭い世界ですし、僕と同じ考え方をする人たちも多いので、学びが少ないかな、と思いまして。

それよりも僕は、飲食業界とか、不動産業界など、他業種の人たちとの人脈を進んでつくってきました。

他業界の人とお話をしていると、自分では考えつかないようなアイデアをいただけることがあります。一方で、僕の考え方が飲食業界や不動産業界では、新鮮に映ることもある。

異業種間でつながったほうが同質的にならないし、お互いにメリットが生まれやすい気がします。

それと、「自分よりも『上』のレベルにいる人から誘われたら、絶対に断らない」ことですね。

「今、ちょっと銀座で飲んでいるから来ない?」とか、「ちょっと今、ご飯食べているから来ない?」と誘われたら、それが夜中であっても、寝ている時間であっても、必ず行く。私の経験上、「すみません、もう寝ちゃっているので、無理です。行けません」と断ってしまうと、「次」はないですね。

とくに20代、30代は、こちらから人を選んではダメです。声をかけていただいたら、とにかく、手当たり次第に会いに行く。

「人を見る目」を養いたいなら、たくさんの人に会うことです。会う人の数や量が多くなれば、感覚的にわかってくるんですよね。「あっ、この人はつき合わない方がいいな」とか。

山下:國分がまだ40代のとき、一緒に金沢まで視察に行ったことがありました。飛行機が小松空港に到着してすぐ、國分の携帯に着信があったんです。大切なお客様からの電話で、用件は「これから銀座に来られないか」と。

すぐに金沢から銀座に直行しました(笑)。そのとき僕は確信しましたね、「國分は本当に断らないんだ」って(笑)。

(第3回に続く)