クオート・マイニングをする人は、これをこんな風に引用する。

「『Aについて、どう思っているから答えてみろよ』とか、『お前たちで考えろ!!!』とか……。あいつらって、本当に偉そうなんだよなあ……」

 困ったことに、クオート・マイニングをしている人自身は、クオート・マイニングをしている自覚がないことがある。つまり、「勝手な印象」を付け足して受け取ってしまっているのだ。

 例えば、女性が男性と同じようにしゃべっていても、女性に対しては「こんな重役会議の中で堂々と話すなんて生意気で偉そうだ。もっと謙虚にしていればいいのに」と感じ、男性に対して「女性に負けないようもっと堂々と振る舞え!」と思ってしまう人もいる。「女性はおしとやかな方がよい/男性は堂々としていた方がよい」という偏見に基づく勝手な印象だが、自分が持っている偏見に自分で気づくことはなかなか難しいもの。

ノット・オール・メン
男のせいにするな!

『男が痴漢になる理由』(イースト・プレス)を書いた斉藤章佳氏は、この本のタイトルをつけたとき「『男が』というのは男性差別的だ。『人が』ではダメなのか」と言われたという。

 性暴力の問題を訴える人に対して、しばしば浴びせかけられるのが「すべての男が性暴力をするかのように話すな!」という言葉。

 男が全員悪いわけじゃないんだ!確かにそうだろう。でも一方で、こんな風に言う人たちもいる。

「痴漢?男には性欲があるからしょうがないんだ。女が気をつけないと」

「ノット・オール・メン」派と「男だからしょうがない」派で一度、膝を突き合わせて話し合ってもらいたい。

 というのも、ネット上ではよく交わされているやり取り。

おまけ・ブーメラン
自分のこと言ってない?

 クリティカルヒットしたかのように見えた痛烈な指摘!でもちょっと考えてみると……それ自分のこと言っちゃってない?という現象。

 ネット上だけでなくリアルでもときどき見られるが、誰かの言動を批判していた人が、その批判された言動を同じ言動をしてしまっていることがある。

「それ、ブーメランになっちゃってない?」と指摘されるのは、なかなか恥ずかしいものである。ブーメランは比較的わかりやすい概念のためなのか、多用・誤用されやすい傾向もある。

 前回に続き、ネット上で見られるさまざまな現象を解説してきた。

 前回も言った通り、これらの言葉を知っていれば知っているほど、息抜きが必要なはず。6個中3つ以上理解していた人は、今からお外の空気を吸いにいきましょう。