さて、以上はちょっとした数字遊びだが、御社はどうであろうか。49人のうち4人を転向させるなら、推進派のうち面倒見のよい人が反対派の個人宅に押しかけ、オンライン会議の設定をしてあげて、2度、3度使い方を手取り足取り指南してあげれば状況を引っくり返すことができるだろう。

 一方で、49人中17人(約35%、3人に1人以上)を転向させなければならないという話になると、かなり面倒だと暗たんたる気持ちになることであろう。

 しかも、実際の会社を考えると、中高年のほうが数は多いわ(上記の計算では中高年と若年層を同数とした)、声もやたらと大きいわで、母集団が多いうえに影響度はもっと強く、推進派が多数派になるのは相当大変かもしれない。さらに過半数くらいではダメで、圧倒的多数にならない限り転換が進まない可能性もある。そうなると、先進的な(普通の?)会社において、どんどん対面からオンライン会議への変更が進むなか、今日も満員電車にゆられ、顧客先への移動に長時間を費やすことになる。もちろんオンライン会議は万能ではないが、かなり便利な方法であることは間違いないのに……。ひっくり返しの成功を祈る。

(プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役 秋山 進、構成/ライター 奥田由意)