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【新連載】「女性はすべてを手に入れられるか」論争――ヤフーの新CEOはこの問題にどう答えてくれるでしょうか

林 正愛 [アマプロ株式会社社長]
【第1回】 2012年8月30日
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 シリコンバレーの男性が会議や会合、週末のバイク旅行で人脈を広げる一方で、サンドバーグは別の方法でシリコンバレーの女性たちに、人脈を広げる機会を提供しています。過去7年間、毎月彼女の家でディナーパーティを開催し、数十人の女性を集め、ゲストスピーカーに話をしてもらう会を主宰しているそうです。ゲストスピーカーには、マイクロソフトのスティーブ・バルマーCEOやマイケル・ブルームバーグ・ニューヨーク市長なども登場しています。自宅で気軽に話ができるのがいい、彼女は女性にとって(特にテクノロジーの分野で)大きなロールモデルになっている、と参加した女性は語っています。

 すべてを手に入れられないとキャリアを放棄したスローターと、女性はすべてを手に入れるべきだと主張するサンドバーグ。キャリアを積む女性にとって、いつの時代も大きな課題です。

 私自身は現在、2歳半の息子と5歳の娘を抱えて会社を経営しながら、大学院で学んでいます。キャリアを積む女性にとって最も大切なのは、サポートしてくれる人をできるだけ多く確保することです。

 サンドバーグのようにご主人と完全に50対50で分担するということは理想的ですが、現実には難しいこともあります。その場合は、親や親族、友人を頼んだり、ベビーシッターや手伝ってくれる人をできるだけ持つことが必須です。悩んだら1人で抱え込まず、困ったらSOSを出し、手伝ってもらう、そんな体制を整えておくことが欠かせません。スローターはその助けを得られなかったとも言えるかもしれません。

ヤフーの新CEOマリッサ・メイヤーは10月に出産予定

Marrisa Mayer マリッサ・メイヤー
Photo by by HarvardCPL, on Flickr

 日本ではポータルサイトとしてとても人気の高いヤフー。しかし、本国アメリカでは、グーグルやフェイスブックに押されて、目新しい戦略を打ち出せず、ここ数年は苦境に立たされています。そんなヤフーを救うべく、グーグルのエグゼクティブのマリッサ・メイヤーが新しいCEOに7月17日に就任したことは記憶に新しいことです。

 実は、アメリカのIT企業では近年、女性のエグゼクティブが次々と誕生しています。先ほど紹介したシェリル・サンドバーグは2008年からフェイスブックのCOOを務めています。2011年9月には、HPのCEOにメグ・ホイットマンが就任。2012年年初には、IBMのCEOにバージニア・ロメッティが女性として初めて抜擢されています。今回マリッサ・メイヤーは、IT業界のこの女性エグゼクティブの輪に加わることになります。「女性四銃士」とでも言いましょうか。

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林 正愛
[アマプロ株式会社社長]

りん・じょんえ/BCS認定プロフェッショナルビジネスコーチ、ファイナンシャルプランナー、英検1級、TOEIC955点。津田塾大学学芸学部国際関係学科卒業。British Airwaysに入社し、客室乗務員として成田―ロンドン間を乗務。その後中央経済社、日本経済新聞社にて、経営、経済関連の書籍の企画および編集を行う。2006年10月にアマプロ株式会社を設立。仕事を通じて培ってきたコミュニケーション力や編集力を活かして、企業の情報発信をサポートするために奔走している。
企業の経営層とのインタビューを数多くこなし、その数は100名以上に達する。その中からリーダーの行動変革に興味を持ち、アメリカでエグセクティブコーチングの第一人者で、GEやフォードなどの社長のコーチングを行ったマーシャル・ゴールドスミス氏にコーチングを学ぶ。現在は経営層のコーチングも行う。コミュニケーションのプロフェッショナルが集まった国際団体、IABC(International Association of Business Communicators) のジャパンチャプターの理事も務める。2012年4月から慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科で学んでいる。2児の母。

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日本経済の屋台骨を支えてきた製造業が苦しむ中で、さまざまな技術革新が生まれ、グローバル競争の新たな舞台となっているIT業界。いまやあらゆるビジネスがITを抜きにしては、競争力が立ちいかないのが現状だ。男性のイメージが強いIT業界で、実は多くの女性たちが活躍している。IT業界やそれに関わる仕事をして活躍している女性たちに焦点を当てながら、新しい競争の時代のリーダー像を紹介していく。
 

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