後者について、少し説明すると、テレワークに代表されるようなデジタルトランスフォーメーション、あるいは「第4次産業革命」とでもいうべき変化がコロナ感染によって加速しており、「近未来を反映している株式市場」では、それをいち早く取り込んでいる、という仮説である。

 テレワーク以外の変化の例として「巣ごもり」需要に関して言えば、流通・小売りもデジタル化やデジタルとリアルの融合が求められており、生活にますます溶け込みそうなヘルスケア分野であれば、オンラインによる診療・健康相談や日常生活における健康状態のモニタリングということになろう。

中国の株式市場が
米国や日本ほど活況ではない理由

 中国は5Gをはじめハイテクは進んでいるが、ナスダックのような新興企業向け市場はまだ規模が小さいし、比較的ハイテク銘柄が集まる深セン総合指数も、上海よりは少しマシだがおおむね同じような動きなので、ハイテクの動きが反映されにくいのかもしれない。

 あるいは、中国はすでにいち早くデジタル社会に突入しており、デジタル化が後進の米国や日本に比べ、デジタルトランスフォーメーションによる変化が少ないと思われているのかもしれない。

 さらに、株式市場には投資家の期待などの心理も反映される。

 その意味では、中国に対しては、さまざまな思いが交錯するであろうし、ワクチン開発などで先行しているといっても、データの信頼性などに疑問が持たれる。

 現状を単なる「バブル」とみるのか、「新たなる変化の序章」とみるのか。

 前者であれば、実体経済と株式市場の乖離は大問題かもしれないが、後者であれば、金融緩和が続き、実体経済の回復のための努力が前提ではあるが、悲観することはない。「災い転じて福となす」ということで、必ずしも悪くない動きと考えることもできるのかもしれない。

 ビジネスパーソンの皆様方にとっては、在宅という「巣ごもり」は、つらい期間かもしれないが、ニュートンが万有引力の法則を、コロナウイルス同様に猛威を振るったペストでケンブリッジ大学が休校中の「在宅」で見つけたという説もあるくらいで、この変化を前向きにとらえていくのが肝要かもしれない。